先日、30代の同僚が自殺した。翌朝聞いた。まだ現実感がない。
Slackで会話したばかり。カレンダーにも名前が載っている。唐突すぎて、ついでに仕事も忙しくて、悲しむことさえ出来ていない。ほか同僚とも悲しむ時間を作れていない。
※故人との関係は、特定を避けるためにぼかしています。直接的に仕事で絡むことは乏しく、公的な社内会議で接する程度でした。
何を感じたか
- 回避。必死に仕事に向かおうとした。長い付き合いでもないけれど、悲しみに向かってしまったら、仕事が出来なくなると感じたから。
- 自傷。自分を責めた。なぜ気付けなかったか。追い込む環境を作ってしまったのかもしれない。加担していなかっただろうか。いや気付けなかった時点で、加担していたのだろうと。
- 不安。自分は大丈夫なのか疑問に思った。無理に強く振る舞っていたようにも感じなかっただけに、無自覚が一番怖い。幸いなことに、ラクになってよかったね、などと共感はしなかった。自分はまだ大丈夫。
まだちゃんと、悲しめていない。怖いからだと思う。
心の苦しみに、どうしたら気付けたのだろう
何よりも同じことを繰り返したくないという気持ちが強い。
①自殺が多いという確率論からは避けられない
厚生労働省の公表する死因順位を見ると、20〜30代の1位は自殺である。しかも割合は30%以上。ガンより多い。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth8.html
つまり自殺という事象は、決して遠い話ではない。無関係とは言えない。長く生きるほど心の安全を守る必要がある。
②人は、無理やストレスを無意識に抑え込んでいる
鬱という言葉とともに思い浮かべる図と表がある。
まずこれ。分かりやすく言えば、無理が重なると2倍3倍モードに突入する。2倍3倍で無理が重くなる。自由が効かなくなる。
2倍3倍モードに突入させるような環境になってないか確認したい。
さらに言えば、心配させないためにも、ストレスを無視して明るく振る舞う人がいる。しかしストレスはストレス。無意識にでも抑えても、辛いことに違いない。
図と表を見ながら、チェックリストを作るとしたらこうだ。
- 2倍3倍モードになっていないか
- なりやすい環境になってないか、加担していないか
- ストレスポイントが高くなる状況になってないか。
引用元は、『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』本から。
③会話から見つける。自虐ネタは黄色信号。
常に上のチェックリストを思い出すことは難しい。なので会話から気付きたい。
それが自虐ネタを話す人。
自己肯定感が低いとか、自虐ネタでしか笑いを取れないとか、そういった捉え方もできるかもしれない。 でもそうじゃない。
2倍3倍モードになったら、そうなってしまう。
心の苦しみに、組織はどう対応するか
そもそもブラック企業であることは論外。それ以外の理由で、自殺者が出てしまったらどうするか。ポストベンションと言うらしい。
組織が対応を求められる理由は2つ。
- 連鎖を起こさないこと
- 心理的安全な職場に改善すること(もしくは極端な士気低下を回避すること)
ポストベンションを掻い摘むと2つあるらしい。
- 悲しむ場を設けること。大勢ではなく少人数で、感情を共有し吐き出すこと。
- 自分自身が苦しくなってしまうかもしれないこと、それに気付ける兆候を学ぶこと。
詳しくは、中央労働災害防止協会を読みたい。 http://www.jaish.gr.jp/information/jisatu/thp43_48.pdf
避けられない事実はある。感情との折り合いをつけて生きていきたい。弱ってる人に気付きたい。強く振舞ってる人の弱さにも気付きたい。そう思う1日でした。