こんにちは!にゃんちゅうです。
現在、私は特定保健指導のお仕事をを業務委託という形で契約して、業務を行っています。
その中でも一番のメインのお仕事ともいえるのが、「初回面談」です。
今回は、特定保健指導の初回面談ではどんなことをしているのか、実際の時間配分などについて解説します。
そもそも、初回面談(初回面接)とは?
特定保健指導における初回面談(専門用語では、初回面接 と呼びます。)は、どういう役割をしているのでしょうか?
初回面談は、健診結果から、保健指導担当者と一緒に生活習慣の改善を目指すための行動計画を設定します。
行動計画を設定するために、保健指導の担当者は健診結果の説明や放置のリスク、実践的なアドバイスを行います。さらに、行動計画の提案では、より対象者に寄り添った形で提案し、実践しやすくなるような意識づけをすることが求められます。
初回面談の時間は、個別面接の場合20分以上とされていますが、おおむね30~40分で行うことが多いです。
面談内容については、会社によりさまざまですが、共通していることは、下記の4点です。
- 検査値の説明と放置のリスク
- メタボリックシンドロームについての説明
- 生活習慣のヒアリング
- 目標設定(体重・行動計画)
面談後は、面談の内容を報告書にまとめ、次の継続支援や最終評価で振り返ることができるようにします。
初回面談で決めた目標があまりにも的外れなものになってしまうと、結果が出なかったり、きちんと評価ができない ため、かなり重要なポイントになっています。
初回面談の流れ
それでは、初回面談が実際にどうやって行われているのか解説していきます。
ここでは、一般的な初回面談の流れをご説明します。会社により、やり方はさまざまありますので、あくまで一例だということをお忘れなく。
今回は、面談を40分間とした場合の流れとそれぞれの分数は下記のとおりです。
- あいさつと今日の流れ(2分)
- 特定保健指導の概要(1分)
- 検査値の説明(10分)
- 目標体重の設定(5分)
- 生活習慣のヒアリング(10分)
- 行動計画の策定(10分)
- 今後の流れについてのご案内(2分)
それでは、一つずつ解説していきます。
1.あいさつと今日の流れ(2分)
ここで話す内容はざっくりこんな感じです。
- 自己紹介
- 今日参加してくださったことに対する御礼
- 所要時間の確認
- 資料や持ち物の確認
- 今日の流れ
まずは挨拶。明るくハキハキとした声で、しっかり目を見て挨拶します。
また、このタイミングで、時間を作っていただいたことに対しての御礼もします。丁寧な対応だな、と思っていただけるポイントです。
その後、面談にかかる時間を説明し、同意を得ます。意外と面談が何分かかるか把握されていない対象者の方が多いです。私は何度か、「え、そんなにかかるの?この後仕事があるから無理。」と言われてリスケしたケースがあります。
次に、ご用意いただく資料や持ち物が揃っているかを確認します。会社によっては必要なものがないと、面談できないケースもあります。
最後に今日の流れをざっくりお伝えして、どこまでやればいいのかを共有します。私は、何を決めるのが今回の面談のゴールなのかをきちんとお伝えしています。こうすることで、対象者の方も何をすればよいのかが分かります。
2.特定保健指導の概要(1分)
ざっくり、特定保健指導とは何なのかについて説明します。ポイントは、
- 厚生労働省が実施している一次予防施策であること
- 健康保険組合に実施が義務付けられていること
- メタボリックシンドロームに着目していること
- 動脈硬化、脳血管障害、心疾患になるリスクが高いこと
です。これらをざっくりと説明します。
3.検査値の説明(10分)
対象者の今回の検査値について説明します。
私はすべての数値を説明するのではなく、今回該当している数値のみを説明します。 理由は単純に時間がないからです。さらに、積極的支援に該当するのか、動機づけ支援なのかについても簡単にお伝えしています。受診勧奨値がある場合は、ここで受診勧奨をしています。
そして、なぜ生活習慣を改善しなければならないのか、放置するとどのようなリスクがあるのかもここで説明します。
ここで、必ず行うのが対象者の 行動変容レベルの把握 です。
対象者の方に、今の検査値で気になるところがあるか確認します。この返答で、対象者の方が無関心期~維持期のどれに該当するのかを見極めます。この行動変容レベルによって、この後行う目標体重の設定や行動計画を立てるときのレベルを調整しています。
例えば、無関心期の方ならリスクについてきちんと説明し、改善しなければいけないという気持ちになっていただけるように工夫します。逆に実行期の場合は、どうやって継続させるかを目標にする必要があることを把握しておきます。
4.目標体重の設定(5分)
現在の体重から、特定保健指導の実施終了までにどのくらいの体重にするのか目標を立てます。
特定保健指導の期間はおおよそ3~6ヶ月です。
検査数値の改善には、現在の体重の5%を減量すると結果が出やすいとされているので、これを目安にするといいでしょう。私はおおよそ3~5%程度で提案することが多いです。
ただし、減量のしすぎはリバウンドの原因にもつながるので、短期間で結果を出そうとしないように注意しましょう。
また、どのくらいの体重を目指すのかは、指導者が決めるのではなく対象者に決めてもらいましょう。
指導者がするのは、あくまで 何kgを目指すのが目安、という提案 。何kgまでならできそうか・頑張れそうかをきちんと聞き、その気持ちを汲み取って目標設定をすることが大切です。
5.生活習慣のヒアリング(10分)
生活習慣のヒアリングでは、主に下記のようなポイントを聞きます。
- 既往歴、治療中の疾患
- 薬の服用の有無
- 自覚症状として気になること(不眠、便秘、頭痛など)
- 職業、勤務形態、通勤の有無や手段
- 運動習慣の有無
- 睡眠時間
- 朝・昼・夜の食事
- 間食・お酒の有無や頻度、量
- 水分摂取の内容
時間がかなり短いので、検査値で該当しているものから、着目すべき食習慣を把握し、その部分をより細かく聞くようにしています。 頻度や量だけではなく、改善する意志がああるのかどうか、何故そのような行動になっているのか背景 まで聞けるとベストです。
例えば、肝疾患の値が悪いならお酒や炭水化物の摂りすぎがないか、高血圧なら外食による塩分過多など…。
全てを聞き取ろうとするとあっという間に時間オーバーしてしまうので、そこはメリハリをつけるように意識しています。
6.行動計画の策定(10分)
検査値の結果とヒアリングしたことをもとに、対象者の方と行動計画を策定します。
一方的に行動計画を決めるのではなく、ひとつひとつ提案をしていき、対象者のできることを一緒に探しましょう。
行動計画は、「少し頑張ればできそう!」というレベルで設定することが大切です。また、そう思わせるように提案していくところで、指導者の腕が問われます。
既にやってあることがあれば、継続していただけるようそのまま行動計画に反映させることもあります。
行動計画を決める際には、そのあと評価をするために、定量的な形(週〇回など)で設定しましょう。ふわっとした状態で決めてしまうと、その後、評価するのが難しいだけではなく、決まりがないので実行に移しにくいというデメリットもあります。
また、対象者が「これはできない!無理!」といった目標はなるべく立てないようにしましょう。
いくら改善への最短ルートの目標を立てたところで、実行・継続できないと意味がないからです。
ちなみに、行動計画は3~5個設定する事が多いです。多すぎても目標管理がしきれないので、この程度にしておくのが良いと思います。
7.今後の流れについてのご案内(2分)
最後に、設定した行動計画を改めて確認し、今後の流れについて説明します。
おおむね、継続支援・最終評価の説明をすることが多いです。
この際に体重や腹囲の測り方を説明することもあります。
会社によっては郵送される書類だったり、連絡をとることもあります。
面談を終了する前に何か質問があるかを聞き、必ず面談をしてくださった御礼をして、終了するように心がけています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これから特定保健指導のお仕事を始める方が、少しでもイメージがついたなら嬉しいです。
ただし、ここでお伝えしたのはあくまで一部のポイントです。実践していく中で気をつけなければならないポイントは本当にたくさんあるので、まずはやってみるのが良いと思います。
初回面談は慣れも必要なので、場数を踏むことが必要です。家族や友人相手にロープレをするのがおすすめですよ。
「より詳しくポイントを知りたい!」「流れは何となくわかったけど、やっぱり受け答えや細かいところが心配!」という方は、相談サービスでご相談ください。ロープレの練習相手もさせていただいています。
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それでは!
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